第3章 用語について ■ Eフォームエレクトロフォーミングを略した呼び方。「Eフォームする=素材に銅をまとわせる」という意味で使います。 ■ アノード(陽極) 銅板のこと。電源のプラス極につなぎ、銅イオンの供給源になります。 ■ アノードバッグ アノード(銅板)を包む袋のこと。ペーパータオルやドライシートなどを用いて、銅の削りかす(銅粉)が液中に流れ出すのを防ぎます。素材が何であっても「アノードバッグ」と呼びます。 ■ カソード(陰極) エレクトロフォーミングしたい素材のこと。電源のマイナス極につなぐことで、表面に銅が析出していきます。 ■ ブスバー カソード(素材)を吊るすための銅線。安定した通電のための“ひっかけ棒”のような役割です。 ■ ハナサキ エレクトロフォーミングの作業中に、銅が素材の表面ではなく「花が咲いたように」不規則に枝分かれして析出してしまう現象のこと。 ■ みちみち・ぶつぶつ 均一に銅が付着せずに、ぶつぶつしたりみちみちした感じに析出してしまう現象のこと。 ■ 酸化(変色) 金属が空気中で酸素と結びつき、表面が黒ずんだり色が変わる現象。 ■ 酸化被膜 酸化によって金属の表面にできる膜。表面処理や色の変化の原因になります。 ■ 酸洗い 酸を使って表面をきれいにする処理。酸化膜や汚れを取り除き、金属が均一に析出するように整えます。 ■ 緑青(ろくしょう) 銅が酸化してできる青緑色のサビ。自然に発生する場合もあれば、意図的に薬品で発色させる場合もあります。 ■ パティーナ 金属の表面に色をつけるための総称。薬品や加熱で酸化をコントロールし、作品に風合いを与えます。 ■ ヒートパティーナ 炎や加熱によって金属を酸化させ、色を変える仕上げ方法。赤や紫、青などのグラデーションが出ます。 ■ いぶし 銀や銅を薬品で黒く変色させ、陰影を強調する仕上げ方法。アンティーク調の雰囲気を出すときによく使われます。 ■ レインボー 加熱や薬品処理によって現れる虹色の酸化皮膜。角度によって色合いが変わり、幻想的な仕上がりになります。 ■ 緋銅(ひどう) 銅を加熱して生まれる赤みがかった発色。日本の伝統技法のひとつで、温かみのある赤色が特徴です。 ■ スラッジ 電解液の中にたまるゴミや汚泥のこと。 無機性スラッジ:金属の酸化物など 有機性スラッジ:植物や樹脂素材から出たカスなど 液の状態を保つため、ろ過してスラッジを取り除きます。 ■ カレントライン(電流線) 電流が素材に流れるときにできる「電気の通り道」。素材の形状によって偏りが起き、角ばった部分や先端に銅が厚くつきやすくなります。 ■ 不動態膜 金属の表面にできる、化学的に安定した薄い膜。金属を腐食から守ることもありますが、EFでは銅がつきにくくなる原因になることも。 ■ 脱脂 素材の表面についた油分や手の皮脂を取り除く工程。これを怠ると、銅がきれいに定着しません。