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第4章 基本原理を知ろう

4-1 エレクトロフォーミングを支える主な要素と役割

■ アノード(陽極・銅板)

アノードは「銅を供給する役割」を持っています。
電気が流れると、銅板から銅イオンが溶け出し、液の中を通って素材へ運ばれます。いわば「銅の出発点」です。

■ カソード(陰極・作品にしたい素材)

カソードは「銅を受け取る役割」を持っています。
電流の力で銅イオンが集まり、表面に積み重なっていくことで、素材が銅で包まれていきます。
まるで「銅の受け皿」です。

■ 電解液(硫酸銅溶液)

電解液は「銅イオンを運ぶ通り道」です。
水の中に銅イオンが溶け込み、アノードからカソードへ移動できる環境をつくります。
液の状態が良いほど、作品も美しく仕上がります。

■ 電源(直流電源装置)

電源は「銅を動かすエンジン」です。
電圧と電流をコントロールすることで、銅が素材にどう積み重なるかが決まります。
適切な電気の流れが、美しい仕上がりを生むカギです。

■ アノードバッグ

アノードを包む袋で、銅のかけら(銅粉)が液中に流れ出すのを防ぎます。
液をきれいに保ち、安定した成長を助ける「フィルター」のような存在です。

■ ブスバー(銅線)

作品(カソード)を吊るして電気を通すための銅線。
電気の橋渡し役であり、素材と電源をしっかりつなぐために欠かせません。

4-2電気と金属の流れ

  • 電源装置につながれた アノード(銅板) から、銅の粒(銅イオン)が水の中に溶け出します。

  • その銅イオンが、カソード(作品にしたい素材) に向かって移動し、表面に少しずつ積み重なります。

    👉 イメージは「銅の小さな粒が泳いでいき、素材にくっついていく」感じです。

4-3 陰極と陽極の役割

  • アノード(+極) … 銅を供給する側。銅板から銅が溶けていきます。

  • カソード(-極) … 銅を受け取る側。素材の表面に銅が成長していきます。

    この二つが揃ってはじめて、Eフォームは進みます。

4-4 電流と電圧

  • 電流が強すぎる → 銅が一気につきすぎて「ハナサキ」などの失敗が起きやすい。
  • 弱すぎる → 銅がなかなか育たず、時間がかかる。
  • 適切な電流で「じっくり育てる」ことが美しい仕上がりにつながります。

4-5 形による偏り(カレントライン)

  • 電気は「近道」を通ろうとするため、角や先端に集中しやすい。

  • その結果、角ばった部分には厚く、くぼみには薄くつくことがあります。

    👉カレントライン防止にスターラーが必須です!

4-6 失敗から学べる原理

  • ハナサキ(花のような析出)=電流過多
  • ムラや剥がれ=導電処理の不均一

失敗の裏には必ず「電気と金属の原理」が隠れています。

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