電流・電圧と仕上がりの関係 エレクトロフォーミングでは、電源から流れる「電流」と「電圧」が仕上がりを大きく左右します。銅イオンがどのくらいの速さで素材に届くか=「成長スピード」を決めるからです。・電流(A:アンペア) 人体に例えると、血流。血流の過多によって銅がつく“速さ”に影響します。・電圧(V:ボルト) 人体に例えると、心臓。電流を流す時の“押し出す力”。 適切な電流・電圧 電流は「素材の表面積」に比例して1ds/2Aを元に計算します。 📌 ds(デシ)とは?1ds = 10cm × 10cm = 100cm² の事を指す1ds/1~3A(中央値2Aを基本とする) 「面積100cm²の素材に対して、2アンペアを流す」のが基本の目安になります。小さい素材に大電流を流すと失敗しやすく、大きい素材に小電流だと時間がかかりすぎます。 「表面に少しずつ、均一に積み重ねる」のが理想です もっと詳しく 失敗例から学ぶ ■ 電流が強すぎる場合 症状・銅が急激について、表面がゴツゴツと荒れる・「ハナサキ(花が咲いたような枝分かれ析出)」が発生する・銅色が黒ずむ、脆くなる原因銅イオンが一気に運ばれて表面に偏り、均一につかなくなる。対処法・電流を下げて「ゆっくり成長」に切り替える・素材を液の中央に安定して吊るす ■ 電流が弱すぎる場合 症状・なかなか銅がつかない・仕上がりが薄く、強度不足になる・長時間かかりすぎて表面が不均一に原因銅イオンの動きが遅すぎて、成長が進まない。対処法・表面積に応じて適切な電流に上げる・導電処理を見直し、電気が通りやすい状態にする 学びのポイント 「早く仕上げたい」と思って電流を上げすぎると失敗する「安全に」と思って弱すぎる電流だと時間ばかりかかるEFは「焦らず、ゆっくり積み重ねる」ことが美しい仕上がりの秘訣