fbpx

電流・電圧と仕上がりの関係

エレクトロフォーミングでは、電源から流れる「電流」と「電圧」が仕上がりを大きく左右します。
銅イオンがどのくらいの速さで素材に届くか=「成長スピード」を決めるからです。

・電流(A:アンペア)
 人体に例えると、血流。血流の過多によって銅がつく“速さ”に影響します。
・電圧(V:ボルト)
 人体に例えると、心臓。電流を流す時の“押し出す力”。

適切な電流・電圧

  • 電流は「素材の表面積」に比例して1ds/2Aを元に計算します。

 📌 ds(デシ)とは?

  • 1ds = 10cm × 10cm = 100cm² の事を指す
  • 1ds/1~3A(中央値2Aを基本とする)
    👉 「面積100cm²の素材に対して、2アンペアを流す」のが基本の目安になります。
  • 小さい素材に大電流を流すと失敗しやすく、大きい素材に小電流だと時間がかかりすぎます。
    👉 「表面に少しずつ、均一に積み重ねる」のが理想です

失敗例から学ぶ

■ 電流が強すぎる場合

  • 症状

    ・銅が急激について、表面がゴツゴツと荒れる

    ・「ハナサキ(花が咲いたような枝分かれ析出)」が発生する

    ・銅色が黒ずむ、脆くなる

  • 原因

    銅イオンが一気に運ばれて表面に偏り、均一につかなくなる。

  • 対処法

    ・電流を下げて「ゆっくり成長」に切り替える

    ・素材を液の中央に安定して吊るす

■ 電流が弱すぎる場合

  • 症状

    ・なかなか銅がつかない

    ・仕上がりが薄く、強度不足になる

    ・長時間かかりすぎて表面が不均一に

  • 原因

    銅イオンの動きが遅すぎて、成長が進まない。

  • 対処法

    ・表面積に応じて適切な電流に上げる

    ・導電処理を見直し、電気が通りやすい状態にする

学びのポイント

  • 「早く仕上げたい」と思って電流を上げすぎると失敗する
  • 「安全に」と思って弱すぎる電流だと時間ばかりかかる
  • EFは「焦らず、ゆっくり積み重ねる」ことが美しい仕上がりの秘訣
Scroll to Top